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BSアニメ夜話「カードキャプターさくら」を語る

2004年9月9日(木)放送。小さなおともだちと、大きなおともだちが楽しみにしていたBSアニメ夜話「カードキャプターさくら」を題材に語ります。

目次

登場人物紹介

ゲストは、一般視聴者としての立場から、親としても子どもにカードキャプターさくらを見せるべきだと語る高見恭子さん。さくらに萌えている(大きなおともだち)代表からは佐藤心(さとうしん)さん。オタク系イベント企画を行っている加藤梅造さん、SF・特撮、アニメ評論家として幅広い深い知識で語ろうとする池田憲章(いけだのりあきさんです。
そして、司会はオタキング岡田斗司夫さんと、「さくら」をこれまで見たことがなかった乾貴美子さんでお送りします。(以下、敬称略)

BSアニメ夜話のトリを飾るのは、自局の番組「カードキャプターさくら」。スポンサー元なので、めった切りにされることはないので、貶して欲しくない自分としては安心して見られます。今、放送しているアニメ番組の中ではさくらをテコ入れしたいのか、それとも一番人気があるのか。どちらにせよ、NHKにとっては一時間の宣伝番組だ。

カードキャプターさくら・全体の印象

「カードキャプターさくら」の番組紹介を見て、全員がなごやかにスタート。

顔つきや洋服がかわいいし、「わたし、がんばるっ!」と、性格が前向き。娘がいるけど、こんな娘になってほしい。親の目からも、カードキャプターさくらの一ファンからしてもそう思う、と目をキラキラさせて語る高見。

対照的に「ああ、どうしよう、『どす黒いもの』がここらへんに」と胸をさする司会者岡田(楽しそう)。

司会者から話を振られたイケメン佐藤。突然、取り出したのは……。

「カードキャプターさくら」のお弁当箱(幼稚園児用)グッズを見せ、にやけながら自身の「萌え」について語る佐藤。続いて、隣でクロウカードを取り出す加藤。二人の大きなおともだちにより、場が波際から引いてゆくのを感じる。そして、「なかよし」を買うのは恥ずかしい、でも、それを乗り越えて買うのがカッコイイと佐藤が熱弁するのだった。

そこでもう一人の司会者、乾の疑問。じゃあ、「萌え」って何?

妹がいない人が妹を見るような目――年下のかわいい娘がいるような感じでは、と池田が返す。

この場合は、「カードキャプターさくら」に当てはまる、「萌え」と捉えた方が正しそう。池田さん、この後も実に抱負な知識を駆使して少女漫画論を語ります。

新世代の魔法少女

「カードキャプターさくら」以前の魔法少女の作品では、魔法を使うときには華麗に綺麗に変身するのがお約束。しかし、本作はそれまでの変身シーンの概念を取っ払った。

「カードキャプターさくら」の大きな特徴は、毎回ヒロインのさくらが知世の選んだバトルコスチュームに着替えることで魔法少女としての役割を果たす。また、普段着のままでも魔法を使うことがある。

子供向けの作品では登場人物の衣装を代えないのは鉄則。というのも、服装を代えすぎるとキャラの印象が薄くなるし、毎回の製作が労力が通常の何倍もかかるから(バンクが使えない!)。しかし、原作のCLAMPが「女の子なのに、なぜ衣装をかえないの」とアニメーションの製作会社マッドハウスに注文したことで、毎回の衣装代えが可能になったという。

よく「漫画とアニメは別物です」と言われるが、CLAMPは原作の立場からあえてアニメーション製作にかかわり(バトルコスチュームのデザインはCLAMPのもこなさん、などなど)、マッドハウスは「カードキャプターさくら」という少女漫画のジャンルをクリアした。

例えば、さくらから見た雪兎や藤隆が異常に背が高くなるのは、さくらの憧れる人物だから――つまり、少女の目線で男性が描かれているからなのだ。

話はCLAMPの製作コンセプトの話へ。これも岡田が一語でうまくまとめている「パーフェクトな二番手」と。

同人誌出身のCLAMP。多くの同人作家は、既存のキャラを使って話を作るのに長けている。その血を受け継いでいたCLAMPも、「かつてあったもののアレンジ」は得意。同じネタをそのまま使うのはパクリや盗作と呼ばれるが、同じネタをベースにして巧妙に手を変え品を変え再び出すのは「換骨奪胎」。かつての日本の工業技術も、元々あったものから全く新しい製品を生み出してきた。

そして、CLAMPは今も少年マガジンで連載中の「ツバサ」で、さくらや小狼などの、自分で作ったキャラたちをアレンジして新しい世界を作り出している。

「Cardcaptors」にまつわる疑問

岡田と池田がアメリカ版「カードキャプターさくら」を少し紹介する。しかし……。

「アメリカ版では知世のシーンが全てカットされている。理由は行動がストーカーっぽいから」(岡田)

「アメリカでは『日本のテレビ版がベスト。アメリカ版を見ていて満足してちゃだめだ』との批評」(池田)

あれ?
アメリカ版では「Cardcaptors(カードキャプターズ)」という番組で、大道寺知世はMadison Taylor(マディソン・テイラー)という名前に変えられて登場していました。一方で、知世がいないアメリカ版の「カードキャプターズ」も存在するという解釈もできるので、判断は保留しておきます。ちなみに、木之本桜はSakura Avalon(サクラ・アヴァロン)という名前です。

ただ、「カードキャプターズ」はさくらたち、少年少女の恋についてはほとんど触れられておらず、日本版がベストだという評には同感です。

【参考サイト】 Sakura’s BME Clinic -「さくらの狂桜病クリニック」

キャラクターの魅力

知世の話になったところで、佐藤が良いところを突く。

知世こそが、さくらを見ている俺たちの視線なんだ!

自分達の気持ちを代弁しているのなら、ここからもう少し突っ込んで放送して欲しかったなぁ。

「さくらのかわいさは、決してこびていないところにある」との視聴者からのメッセージが登場する。これを受けて、加藤が「さくらちゃんのかわいさは、知世や桃矢を初めとして他のキャラクターが語っている」と話す。

キャラクターをかわいく見せるにはどうすれば良いか?
かわいく造形したキャラクターにかわいいと思える行動をさせてみよう。

ということで登場するバトルコスチューム。知世が手がける作品の数々。あたかも視聴者がこんなのを着てくれればいいな、と思うような可憐な衣装たち。それを着たさくらは知世から「超絶かわいいですわ〜」と絶賛される。

知世を初めとする他のキャラクターがさくらを見つめたり、語ったり、助けたりすることで、さくらのかわいさを引き立てている。「わたしかわいいの」とさくら自身が語るより、「雪兎さんがさくらちゃんのことをかわいいって言ってたよ」(一例)と誰かからさくらに伝える、この第三者のほめ言葉をさくらの映像に当てはめる。

そして、語り手の一番手が、さくらの親友である知世――もっとも視聴者に近い立場からさくらを見つめている。それは、決してさくらは自分のものにはならない(恋人にはならない)のを知っているけれど、ひたすらにさくらの幸せを願い、さくらが望むように行動しているからなのだ。

視聴者がテレビの前で悶絶するように、ときどき知世ちゃんも暴走しますが(笑)。

綺麗すぎる「さくら」の世界

「箱庭感」が強いカードキャプターさくらの世界。ディズニーに夢中になる大人がいるように、さくらには大人を熱中させる力がある。熱弁する佐藤を制するように、「頭の悪い反論ですが」と前置きして、岡田が話を振る。
「あえて言いますけど、幻想の中でしか女の子(の内面)を信じられないのか?」
しかし、これに対する明確な答えは出てこない。

そして、もうひとつ司会者より質問が飛び出す。現実はもっと汚いものなのに、逆にそんな綺麗な世界を子供に見せていいの? それに苦笑しながら答える高見。
「子供は、汚いものは親のいないところでちゃんと見てるのよ……」

出ました、「箱庭感」。
「カードキャプターさくら」を見ていると、悪人がひとりも出てこないのに気がつきます。ライバルは出るけれど、これが悪役ですらない。登場人物全てが善人で、さくらのためにクロウカードから日常の困ったことまで協力する。友枝町は汚れたものや「どす黒いもの」は受け入れず、存在できない。

人間は性善説か性悪説、どちらに基づいているかと問われれば、私は迷わず性悪説を取ります。だから法で縛り付けるしかない、と。でも、そんな生き馬の目を抜くような世界で生きているからこそ、「カードキャプターさくら」の世界に憧れて、誰もが手を伸ばしても届かない、神が作った幻想的な箱庭を覗いているような感覚に陥るのかも知れません。

魔法使いの日常生活

「カードキャプターさくら」を親と見て、「いい年した大人が子供向けのアニメを見て……」と怒られるのではなくて、「あんたもさくらちゃんのように家事を手伝いなさい」と叱られた大人がいるそうな。高見さんではないですが、私も子供がいたら、ぜひ子育てに使いたいです(←影響されている人)。

「カードキャプターさくら」は日常と切り離して考えることはできない。「普通、魔法少女が掃除機をかけるアニメなんてありませんよ」と、佐藤。「だから親が子供に見せたい番組なんですよ」 高見が同調する。

「カードキャプターさくら」の良さのひとつは、完全に幻想的な世界であるけれども、現実とつながっていること。魔法は必ずしも万能ではないし(第22話『さくらとやさしいお父さん』参照)、学校や家庭での日常生活も緻密に描かれています。

まとめ

番組の終わり近くで、池田が一言。実に良くまとめられている。

少女漫画の世界からは、テレビももっと盗めるものがある――「カードキャプターさくら」は氷山の一角で、その下にはとてつもない鉱脈が眠っているのではないだろうか?

司会者として話を振り、まとめた岡田、親の立場からアニメを見たさくらファンの高見。萌えの立場から暴走した佐藤。所々で知識を披露する池田。残念ながら乾と加藤はあまり活躍できなかった。そして、本文中では述べなかったが「アニメマエストロ」というコーナーがあり、「カードキャプターさくら」のセル画の色使いについて解説していた。

あんな意見もある、こんな意見もあると並べるのはNHKを初めとして、よく見られる手法。しかし、「カードキャプターさくら」論として見るには不十分で、「さくらちゃんかわいいね」で止まっていた感はある。また、声優の話は一切触れられていないのは残念だった。

それでも、個人的には「カードキャプターさくら」を語ってくれたので満足。もしも、再び語る機会があるのなら、ぜひ私も出演させて欲しいな。ファンサイト枠で。どうですか? NHKの製作者様(笑)。

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